
私はもちろん、先生たちもびっくりされました。それは、あの長い汽車で通う中で、一生懸命に勉強をしたからだと思います。「だって、往復四時間ですものね」。
いよいよ三年目です。このころになると、地元の小学校の入学を考えるようになったくらいです。自分でも、「よく頑張ったなあ」と驚いています。二人とも体には十分に気をつけて通いました。お陰で三年間、ほとんど休みませんでした。
今度はいよいよ小学部一年です。いろいろあって、ひとみは分校の寄宿舎でお世話になることになりました。寄宿舎はとてもいい感じだったのですが、言葉が伸びないのではと気になり、その年のうちに家族で豊岡市に移住し、二学期から県立豊岡ろう学校へ転校しました。
初めのうちは泣いてばかりで勉強になりませんでしたが、先生方に、「ひとみさんはよくお話ができるねえ」と、言ってくださったことを覚えています。三年生までは、私が車で連れて通っていましたが、四年生からはバス通を思い立ち、少しずつ練習しました。
初めは一緒に乗って行き、そのうち、一人で乗せてバスの後ろから車でついて行くなどして、一週間ほどで一人で通えるようになりました。
ひとみが四年生のころ困ったことが起きました。中二のお姉ちゃんが学校に行かなくなり、ひとみが五年生になると、中三になったお姉ちゃんと中一になったお兄ちゃんまでが、登校しなくなりました。
先生と相談しましたが、どの先生も、「小さいころに、お母さんがひとみちゃんばかりにかかっていたため、その寂しさが、いまこのような形で表れているのだろう。ゆっくり休ませて甘
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